派遣社員は、「派遣会社と雇用契約を結び派遣先の企業で仕事をする」という働き方です。
働き方が多様化する現代において「正社員でなければならない」という考え方もなくなってきています。
一人で転職活動をしていても、採用を勝ち取るのが難しい企業や職種であっても、信頼を派遣会社が築き上げてくれていることで、チャレンジすることができる場合もあります。
さらに、豊富な知識や求人の量を保有しているため、あなたのライフスタイルに合った企業をあなたの代わりにピックアップして紹介してくれるのが、派遣会社を利用するメリットです。
そんな派遣会社に登録するための作業である「派遣登録」について、詳しくご紹介します。
さらに、派遣会社を選ぶポイントもお伝えしますから、ぜひあなたの仕事探しの参考にしてください。
派遣登録ってなに?
「派遣登録」は、あなたに合った会社を紹介してもらうために、派遣会社に住所や年齢、経歴や得意分野を登録することです。
派遣会社は、その会社に登録した人にのみ派遣先の企業や仕事を紹介する仕組みなので、派遣登録をすることは就職への第一歩となります。
登録する内容は、履歴書の項目と同じと思って間違いありません。
自分で就職活動をする場合は、履歴書と職務経歴書を作成する必要がありますが、経歴だけでなく志望動機やアピールポイントを考えるのは大変ですよね。
派遣登録は、そうした書類の記入から手伝ってくれるところが多いのも特徴です。
登録時に聞き取りという形をとってくれることもありますし、それぞれ質問に答えていくだけで済む場合もあります。
派遣登録のメリット
派遣登録にはたくさんのメリットがあります。
離職期間が長い方や就職経験が少ない方にとっては、いきなりスーツを用意して履歴書を作成してと準備だけでも大変です。
そのうえ、さまざまな企業を「調べて応募」して「面接の対策を考える」なんてかなりハードル高いですよね。
その点派遣登録をしておけば、登録時の情報がありますから毎回履歴書を書くこともなく、企業の情報や仕事に対する準備は派遣会社から教えてもらうことができます。
なんといっても、登録時に提出する情報や希望条件から、あなたに合った派遣先を派遣会社がピックアップして提案してくれるのです。
雇用には正社員だけでなくアルバイトやパートなどさまざまな形がありますが、中でも「派遣社員」は、期間を決めてさまざまな企業で働くことで経験やスキルを貯めていくことができます。
さらに、結婚や出産引越しなど生活に変化があった時にも、派遣会社が相談に乗ってくれますから、無理なく自分に合う環境で働き続けることができるのです。
派遣登録の種類
派遣登録の方法は大きく分けて3種類あります。
それぞれの方法を利用した「派遣登録」の手順をご紹介していきます。
派遣会社へ直接行く
「来社登録」とも言われているのが、登録したい派遣会社に直接足を運んで派遣登録する方法です。
定期的に、派遣登録説明会として大きな説明会のようなものが開かれている場合もあります。
実際にどんな会社で働くことができるのかや、登録から就業までの流れを詳しく説明してもらってから登録することができるのが魅力です。
派遣会社の担当と直接話すこともできて、不安なことやわからないことを相談することもできるので、初めて派遣登録するという方には、この方法がおすすめです。
Web登録
派遣会社ホームページにアクセスし、入力フォームに聞かれたことを入力していくだけで登録が完了するのが「Web登録」です。
転職活動の中で時間の余裕がない場合、家で登録だけしておけば良いので自分のタイミングで活動できます。
派遣会社の担当者とは、電話やメールでやり取りできるので、来社登録と変わらないサービスを受けることができるので安心です。
気をつけておきたいのは、メールや電話のやり取りの中で、あなたの経歴や希望が「正確に伝わらない」可能性があるというところです。
正確に伝わらないと、紹介される仕事が希望とズレてしまうことがあります。
電話登録
Web登録と同様に、派遣会社に直接行くことなく派遣登録ができるのが「電話登録」です。
時間や場所にとらわれずに登録ができるのがメリットです。
それだけでなく、電話とは言え直接担当者と話すことができますから、お互いの人柄が伝わりますし微妙なニュアンスや雰囲気も伝わりやすくなります。
順番としては、Webや電話で面談の予約をとって、予約した日時に担当者と電話で話すことで登録が完了するという流れです。
仕事の紹介も電話で完結するので便利ではありますが、電話の往復に時間がかかることもあり、希望していた募集が終わってしまうこともあるので注意しましょう。
来社登録やWeb登録に比べ、少し不便な点はあります。
しかし、正式な文章や言い回しに慣れていない方や苦手意識がある方にとっては、文章だけのやり取りになるWeb登録よりも、安心感のある登録方法なのです。
派遣登録の流れ
ここからは、実際に派遣登録をする時の流れをご紹介します。
何をするのかがわかっていれば、必要な書類や確認事項を事前に準備できますから、しっかりチェックしておいてください。
①登録会に参加する
派遣会社は、登録会を定期的に行っています。
Web登録ではWeb上で、電話登録なら電話で、同じ内容を知ることができますから、②以降の登録に関する内容に進んでください。
「登録会」は、1日に時間を変えて複数回行っていたり、土日にも開催されて、今別の仕事をしている方でも時間を見つけて参加することができるように配慮されているのです。
派遣登録会の流れは以下の通りです。
- 仕組みや流れの説明
- 経歴や職歴などのプロフィール登録
- 担当者と面談
上記に加え、希望する職種によってはタイピングや語学、一般常識などの「スキルチェック」がある場合もあります。
「2.経歴や職歴などのプロフィール登録」がありますから、指定された持ち物は忘れずに準備しておきましょう。
せっかく時間を作って会場まで足を運んでも「必要書類が揃わない」「印鑑がない」となれば登録が完了しません。
直接担当者の顔を見ながら話ができるチャンスです。
仕事までの流れや希望条件など、わからないことや不安なことはどんどん質問しておきましょう。
②プロフィールの登録と面談
登録方法に関わらず、プロフィールや経験の登録と希望条件を伝えたり質問や相談ができる面談があります。
【登録に必要な物】
印鑑・・・シャチハタではなく、できれば認印が良い
身分証・・・免許証、マイナンバーカード、パスポートなど
預金通帳・・・給与振込の登録なのでキャッシュカードでもOK
履歴書や職務経歴書は、派遣会社のフォーマットで記載や入力をする場合と、ご自身で事前に準備しなければならない場合があります。
Web登録や電話登録をする時は、文章データや写真データでのやり取りが可能なので、スマートフォン1つで完了させることも可能です。
面談では、取り扱っている職種や不安なことを聞くのはもちろんですが、「どんな仕事が得意なのか」や「どんな条件で働きたいのか」など希望もしっかりと伝えるようにしましょう。
希望する職種や企業によっては、一般常識問題やPCスキルのテストがあることもあります。
③希望の仕事にエントリーする
登録が完了したら、紹介された仕事の中から「希望の仕事にエントリー」します。
エントリーとは、一般的な就職活動でいう「応募」です。
面談の後そのまま仕事の紹介を受け、エントリーが可能な場合もありますし、あなたの準備が整ってから後日エントリーすることもできます。
希望者が多い場合は、社内で選考が行われることもありますし、条件が良い仕事や人気の職種だとすぐに決まってしまうことも多いようです。
気になる仕事があった場合は、あまり悩みすぎるのはおすすめできません。
④お仕事開始!
仕事開始の当日は、派遣先の企業に直接出社してお仕事開始です。
第一印象は重要ですから、しっかりと挨拶するところから始めましょう。
特別な持ち物の指示がなくても、筆記用具とメモは持っていくようにしてください。
派遣に限られた話ではありませんが、挨拶は大切ですし、遅刻は厳禁です。
企業によっては、派遣先が決まった時点で実際に働くことになる派遣先の企業と顔合わせや職場の見学を行うこともあります。
事前に配属先の雰囲気や一緒に働く人の顔がわかっているのは、安心ですよね。
また、派遣会社によっては初日のみ担当者が同行してくれる場合もあります。
派遣会社選びのポイント
派遣会社はたくさんあります。
ここからは「どの派遣会社に登録するのか」を決める時に、チェックしておきたいポイントをご紹介していきます。
1:どんな仕事がしたいか
派遣会社を選ぶ時は、まず「どんな仕事がしたいか」を決めましょう。
これは、派遣会社によって、派遣先の企業の業種や職種が異なることが多いためです。
求人を検索し、気になる求人を見つけたら「その求人を扱っている派遣会社」に登録するのが近道です。
特に、以下のような「事務職以外の仕事がいいな」と考えている方は、それぞれの分野に強い専門の派遣会社を選ぶようにしてください。
- 販売スタッフ
- 製造業や工場
- 医療・介護職
- IT関連やエンジニア
具体的な仕事の希望がない場合でも、「事務職がいい」「製造業がいい」など大まかな業種は絞っておいた方が良いでしょう。
希望する職種に特化した派遣会社であれば、仕事内容や就業に関する不安にも的確に答えてくれますから、安心して相談できます。
2:どこで働きたいか
働きたい場所も重要です。
全国にパイプのある派遣会社もあれば、地域密着の派遣会社もあります。
現在の自宅から通うことができる派遣先を希望する場合は、その地域に強い派遣会社を選ぶようにします。
反対に、遠方に配属される場合もありますが、豊富な職種や勤務形態が魅力の工場派遣などを希望する場合は、全国にパイプにある工場派遣専門の派遣会社を選ぶと良いでしょう。
地域密着型の派遣会社は、その性質上、取り扱う求人が限られてしまいます。
ですから、人気の求人は競争率が高くなりますから、注意が必要です。
その点、工場派遣のような全国の求人を取り扱う派遣会社は、勤務地の違いはあっても条件は同等の求人も多い傾向があります。
さらに、勤務地が遠方になる求人のほとんどが寮完備ですから、安心して応募することができますよ。
3:派遣会社の規模
派遣会社にはそれぞれ”規模”があります。
全国に支店を持ち、派遣先に上場企業のような大きな会社を取り扱うような「大手派遣会社」もあれば、地域密着や1つの職種に特化した中規模から小規模の派遣会社もあります。
「何か良さそうな仕事があったら転職したい」というように、お試しで登録しておこうかなという方は、取り扱う求人が豊富な大手の派遣会社に登録しておくと良いでしょう。
- 得意な作業がある
- 苦手な分野がありそれ以外の仕事がいい
- 挑戦したい仕事が決まっている
上記のような方は、希望を叶えるためにその業種に特化した派遣会社を選ぶようにしてください。
大手派遣会社と専門分野に特化した派遣会社を上手に使い分けて利用することも可能です。
状況や希望に合わせて、登録する派遣会社を考えると良いでしょう。
働き始めるのはいつでもOK
派遣会社に登録したからといって、すぐに働き始めなくても大丈夫です。
派遣社員として働くには、派遣会社に登録して派遣先に紹介してもらうことが必要です。
ですから、まずは登録することが必要になります。
求人サイトなどで、派遣会社が掲載している仕事に興味があっても、すでに登録している人と今から登録する人では、応募までにかかる時間が変わってしまいます。
人気の職種や企業の場合は、希望者殺到しすぐに求人が終了してしまうこともありますから、すぐに動ける状態を作っておくことが重要なのです。
- 転職に時期を迷っている
- 働き始められるのが数ヶ月先になる
- どんな仕事をするか決まっていない
上記のような方は、派遣会社に登録だけしておいて、あなたが「いいな」と思う求人が出てきたら動くことができます。
まとめ
「派遣登録」について詳しくご紹介しました。
働き方は、正社員だけではありません。
より広い視野であなたの生活に合う、目標に近づける方法を探す中の1つの選択肢として「派遣社員」があります。
派遣登録の方法を3つご紹介しました。
- 来社登録
- Web登録
- 電話登録
そして、派遣登録の流れはたったの4ステップです。
- 登録方法を選ぶ
- プロフィールを登録して面談する
- 希望の仕事にエントリーする
- お仕事開始
登録は簡単ですし、登録したからといってすぐに働かなければならないということもありません。
今回ご紹介した「派遣会社選びのポイント」を活用して、ぜひ派遣登録を検討してみてください。