仕事が続かない20代の特徴について解説します。
20代の離職率が高い業界や仕事が続かない20代におすすめの対策についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
仕事が続かない20代の特徴について紹介します。
「仕事が続かない20代の特徴は?」
「20代の離職率は業界によって異なる?」
「これ以上退職を繰り返さないために20代がすべきことは?」
転職や転身が珍しくなくなっている昨今ですが、20代で何社にも転職している人と1社を長く続ける人には差があります。
仕事が続かない20代にはどのような特徴があるのでしょうか?また、転職を繰り返しているとどのようなデメリットがあるのでしょうか?
仕事が続かない20代の特徴だけでなく、これ以上退職を繰り返さないための対策についても解説しているので、20代で仕事を続ける対策にも興味がある人はぜひチェックしてみてください。
20代の実際の離職率は?
最初に、実際に20代がどのくらい離職しているのかについて解説します。
早期離職の定義について
早期離職とは、入社から3年以内の退職を指します。
さらに半年以内の離職は「超早期離職」と呼ばれ、所属部署や人事部などでも問題となっています。
せっかく面接や研修のために時間や労力を割いても、戦力になる前にやめてしまっては意味がありません。
最終学歴によって離職率は異なる
では、実際の20代の離職率をチェックしましょう。
厚生労働省によると、平成30年の高卒の20代の離職率は36.9%、大卒の20代の離職率は31.2%となっています。
他にも中卒は55.0%、短期大学卒は31.2%となっており、最終学歴によっても20代の離職率は異なると言えるでしょう。
20代の離職率が高い企業の特徴3つ
上記で20代の離職率の一つの要因として最終学歴があると述べました。
しかし、20代の離職率には企業の特徴も関係しています。
20代の仕事が続かない企業として、以下の3つの特徴が挙げられます。
ベンチャーや零細企業など規模が小さい企業
ベンチャー企業や零細企業は人数が少なく新卒でも早くから出世できるチャンスがある一方、ハードワークで残業が多いなどのデメリットもあります。
ベンチャー企業の多くは資金にあまり余裕が無く、給料が安いだけでなく、大企業にあるような福利厚生が無いケースも珍しくありません。
入社前は頑張ってすぐに出世すると張り切っていても、実際に入社すると「こんなに働いているのにお金も全然稼げない」というギャップに耐えられず、仕事が続かない20代が多いと言えるでしょう。
宿泊施設や飲食サービス業の企業
宿泊施設や飲食サービス業は、旅行やレストランなど楽しく華やかな場所とイメージする人もいるかもしれません。
しかし、実際にはお客さんの都合によって残業時間が左右されたり、心身ともに負担がきつかったりするなど、厳しい面も少なくありません。
また、宿泊施設や飲食サービス業は学歴や経歴を問わず多くの人が採用されやすい傾向にあるため、「何となく入社したがやっぱりあまり向いていない」と感じる人もいるでしょう。
厚生労働省のデータによると宿泊施設や飲食サービス業で働いている20代の60%が早期退職しており、全業界の中でもトップクラスです。
さらにハードワークによって離職率が高くなると、残された人たちの負担も増えてしまうという負のループが起こります。
教育業界や技術職など専門性が高い企業
学校の先生やシステムエンジニアは、専門的なスキルを磨ける点などから、強い憧れを抱いて就職する人もいるかもしれません。
しかし、実際には面倒な業務や人間関係など様々なギャップがあります。
また、職場によっては仕事量や仕事内容の割に給料が安いなどのデメリットがあります。
最初に高い理想を抱いて就職した分、現実との差が広いほどすぐに退職したい気持ちも高まってしまうでしょう。
20代で仕事が続かない理由3つ
上記で20代の仕事が続かない企業の特徴について挙げましたが、もちろん個人の問題も関係しています。
20代で仕事が続かない理由として、以下の3つが挙げられます。
福利厚生が無く給料も高くない
働くうえで、どのくらいの給料を貰えるかは非常に重要なポイント。
やりがいを求めて働く人であっても、一定以上の給料が欲しいと思うでしょう。
先述したように、ベンチャー企業や零細企業は資金が少なく、今すぐに給料アップすることは難しいです。
長期的に見て事業が軌道に乗れば一気に給料が上がるだけでなく、役職者になれる可能性も高いです。
しかし、今すぐに給料を上げられない点や事業成功が保証されていない点などから、仕事が続かない20代も少なくありません。
また、交通費支給やボーナスなどの福利厚生も無いケースもあるので、福利厚生の有無も20代の離職率と関わっていると言えるでしょう。
理想と実際の仕事内容や労働条件が違った
昔から強い憧れを抱いて就職するほど、理想と現実のギャップを感じやすくなります。
「思った以上に体力的・メンタル的に大変」「下積みばかりでなかなか実務に移れない」など、仕事内容が思っていたものと異なる点も、20代が仕事が続かない要因の一つと言えるでしょう。
また、仕事内容は予想通りであっても、労働条件が理想的でなかったという可能性もあります。
休日出勤やサービス残業が多いと、仕事が楽しくても体力的・メンタル的に負担が大きくなってしまうでしょう。
ワークライフバランスを整えながら働きたい20代にとって、労働条件は離職率を左右するポイントの一つです。
人間関係がうまくいかない
20代の仕事が続かない要因として、人間関係が大きくかかわっています。
人間関係は実際に働かなければどのような空気かわからないため、事前にうまくいかない確率が高い企業を避けることは難しいです。
「上司と馬が合わず、仕事の連携もうまくいかない」「教育係に無視をされた」など、人間関係がうまくいかなければ仕事にも支障をきたしてしまうでしょう。
また、セクハラやパワハラは仕事だけでなくプライベートにも影響してしまうほど、身体的・精神的な問題にも繋がります。
人間関係のストレスで不調をきたす前に退職する20代は少なくありません。
20代で仕事が続かない人の特徴3つ
20代で仕事が続かない人の特徴として、以下の3つが挙げられます。
経済的に余裕があるもしくは全く余裕が無い
経済的に余裕がある、もしくは全く余裕が無い人は、20代で仕事が続かない傾向にあると言えるでしょう。
実家暮らしなど経済的に余裕があれば、退職して収入がストップしても生活に困りません。
そのため、退職に対する抵抗が低くなってしまいます。
一方、経済的に全く余裕が無い場合も安月給で働き続けることに限界があり、長い下積みに耐えにくい傾向にあります。
少しでも給料が高い・ボーナスがある企業に渡り歩こうとするうちに、1社あたりの在籍期間が短く、転職回数も多くなってしまうでしょう。
企業に対して高い理想を抱きすぎている
仕事内容や人間関係、給料などすべてにおいて理想にかなっている職場で働きたいと思うのは当然でしょう。
しかし、企業に対して高い理想を抱きすぎていると、現実とのギャップに耐えられず、すぐに退職してしまいます。
企業に対して高い理想を抱きすぎている20代は、仕事が続かない傾向にあると言えるでしょう。
飽きっぽい
飽きっぽい性格は、仕事が続かない特徴の一つです。
新人の頃は地道な仕事の繰り返しで、成果に直接つながる仕事に携わる機会が少ないかもしれません。
しかし、どのような仕事であっても最初は下積みが必要で、力を付けてから新しい仕事にチャレンジできるようになるもの。
飽きっぽい人は下積みに耐えられず、すぐに転職してしまう傾向にあります。
また、仕事以外にも「毎日同じルートで同じオフィスに通う」「同じコミュニティばかりと接している」という状況にも耐えられなくなる可能性もゼロではありません。
仕事が続かない20代が注意すべき3つのポイント
仕事が続かない20代は特段珍しいとは言えませんが、「他の20代も早期退職しているし、自分も退職しても問題ないだろう」と考えていると、様々なデメリットがあります。
仕事が続かない20代は、以下のような3点に注意してください。
すべての理想が叶う職場を見つけることは難しい
多くの人は「せっかくならば最大限理想が叶う職場で働きたい!」と思うでしょうが、すべての理想が叶う職場は見つからないと考えた方がいいでしょう。
たくさんお金を稼ぎたい場合、スキルを身に付けるための勉強やハードワーク、責任感などを請け負う必要があります。
反対に、責任を最低限にしてマイペースに働きたい、労働時間も短縮したいという場合、高い給料は見込めないでしょう。
少しでも気に入らない点があれば転職しようと考えていると、また次の職場でも欠点が気になって仕事が続かない可能性が高いです。
時間が経ってもスキルや収入がアップしづらい
大卒の22歳で社会人になった場合、29歳までで8年間の職歴を積むことになります。
1社を続けた人は8年間という職歴になるのに対し、早期退職で転職を繰り返した人は2~3社を3年程度というサイクルになります。
早期退職は様々な企業を幅広く経験できるメリットがありますが、1社で働き続けた人と比べて、時間が経ってもスキルや収入がアップしづらいと言えるでしょう。
前職でどれだけ実績があっても、転職先ではまたゼロからのスタートとなります。
同じ会社に勤めていると昇級や昇格などによって給料アップが見込めるものの、転職したばかりだと最低限の金額となるでしょう。
数年で対象のスキルや経験を積んでも、転職を繰り返すと広く浅いものしか身に付きません。
また、転職回数が増えていくと履歴書の欄も多くなり、転職活動の面接で「何かしらの問題があって仕事が続かない人」という印象を持たれてしまうかもしれません。
スキルや収入アップしづらいだけでなく、転職先が見つかりづらくなる点も、20代で仕事が続かない人の注意点と言えるでしょう。
会社都合でリストラされやすい企業もある
仕事が続かない20代の中には、自分の意思ではなく会社都合で退職に追いやられるケースもあります。
特にコロナ禍になってからは、特定の企業は不況によってやむを得ず事業縮小しています。
アパレル業界や飲食サービス業などは、世間の流れによって従業員をリストラしなければなりません。
企業都合で仕事が続かないことが多い人は、リストラされやすい業界を選んでいないか振り返ってみてください。
仕事が続かない20代におすすめの対策3つ
最後に、仕事が続かない20代におすすめの対策について3つ紹介します。
先述したように、20代で仕事が続かないと昇給・スキルアップしづらいなどのデメリットに繋がります。
仕事が続かない理由を明確にして条件の優先順位を付ける
仕事が続かない20代は、自分の中で何かしらの理由があるはずです。
どのような理由で退職するのかを紙に書き出し、明確にしましょう。
そして、条件の優先順位を付けることで、妥協ポイントを見つけられます。
例えば「いつも人間関係の問題で退職している」ということがわかれば「給料がイマイチでも人間関係が良ければ仕事を続けよう」「人間関係がイマイチかつ仕事内容も自分に合っていなければ転職を考えよう」など、仕事を辞める・続ける条件を洗い出せます。
一人暮らしなど仕事を続けなければならない環境を作る
仕事をすぐに辞めても問題が無い状況だと、退職に対しての抵抗が薄れてしまいます。
例えば実家暮らしで経済的に余裕がある場合、一人暮らしを検討するのも一つの手段です。
一人暮らしの場合、収入がストップすると生活ができなくなってしまうため、簡単に退職しづらくなるでしょう。
仕事を続けなければならなない環境を作ると、仕事が続けられるようになるかもしれません。
就職・転職エージェントを活用して長続きする企業を探す
長続きする企業に就職するには、条件や労働環境に納得したうえで就職することが大切です。
納得した企業探しのツールとして、就職・転職エージェントの活用がおすすめです。
就職・転職エージェントはアドバイザーが利用者の希望をヒアリングしたうえでおすすめ求人を紹介してくれるので、希望に見合った企業と出会える可能性が高いでしょう。
就職・転職エージェントには、全業界・全エリアなどから網羅的に求人を取り扱っている総合型と、特定業界・特定エリアなど専門的な求人を取り扱っている特定型があります。
どちらも併用すると、転職先の選択肢を広げやすいでしょう。
例えば、総合型にはリクルートエージェントやマイナビエージェントなどがあり、数十万件の求人を取り扱っています。
一方コウジョブは特定型求人サイトで、工場求人に絞っています。
求人数は総合型より少ないものの、工場に関するレアな業種などを見つけやすいでしょう。
まとめ
今回の記事では、仕事が続かない20代の特徴について解説しました。
経済的に余裕がある人や飽きっぽい、高い理想を抱きすぎている20代などは、仕事が続かない傾向にあると言えるでしょう。
すべての理想が叶う職場は無い、転職回数が多くなるほど就職先の間口が狭くなるなど、退職する前にデメリットを踏まえて本当に転職してもいいかを考えましょう。
仕事が続かない20代の対策として、仕事が続かない理由を明確にする・転職しづらい環境を作る・就職・転職エージェントを活用して長続きする企業に就職するなどが挙げられます。