- 製造業の平均年収を知りたい
- 条件によって製造業の年収がどうなるのか知りたい
- 製造業で年収を上げる方法を知りたい
「製造業の平均年収は?」「製造業は稼げないイメージがあるが、実際どうなの?」など、製造業の平均年収について気になっている方も多いのではないでしょうか。
製造業の平均年収は他の業界と比べても高いですが、雇用形態や企業規模など、条件によって年収は大きく変わります。
そこで今回は製造業の平均年収について、さまざまなデータをもとに詳しく解説していきます。この記事を最後まで読めば、製造業で高収入を得られるヒントが得られますので、ぜひ参考にしてくださいね。
製造業の平均年収は?

製造業の平均年収について、さまざまなデータをもとに見ていきましょう。この章では、政府が調査した「賃金構造基本統計調査」のデータベースを参考に、製造業労働者の年収をまとめていきます。(参考:「賃金構造基本統計調査」)
「年代別」の製造業の平均年収は?
まずは、製造業の平均年収について年代別に見ていきましょう。例として大卒の平均年収を年代別にまとめると以下の通りです。
【製造業で働く労働者(大学卒)の平均賃金状況】
性別 | 年齢 | 年間給与算出*(円) (カッコ内は全業種大卒平均) | 年間賞与その他特別給与額(円) (カッコ内は全業種大卒平均) |
---|---|---|---|
男性 | 年齢計 | 4,850,400 (4,738,800) | 1,916,000 (1,716,300) |
20~24歳 | 2,647,200 (2,745,600) | 414,000 (382,100) | |
25~29歳 | 3,081,600 (3,205,200) | 1,064,300 (1,046,800) | |
30~34歳 | 3,687,600 (3,949,200) | 1,377,100 (1,458,700) | |
35~39歳 | 4,309,200 (4,670,400) | 1,646,300 (1,696,700) | |
40~44歳 | 5,134,800 (5,352,000) | 2,026,600 (2,014,200) | |
45~49歳 | 5,859,600 (6,183,600) | 2,428,800 (2,435,200) | |
50~54歳 | 6,673,200 (6,819,600) | 2,995,600 (2,831,600) | |
55~59歳 | 6,805,200 (6,714,000) | 3,042,300 (2,726,000) | |
60~64歳 | 4,407,600 (4,462,800) | 1,507,600 (1,499,700) | |
65~69歳 | 4,149,600 (4,588,800) | 621,100 (1,589,200) | |
70歳~ | 4,216,800 (3,312,000) | 829,600 (871,200) | |
女性 | 年齢計 | 3,350,400 (3,312,000) | 1,089,700 (977,200) |
20~24歳 | 2,624,400 (2,696,400) | 368,300 (376,300) | |
25~29歳 | 2,878,800 (3,002,400) | 956,700 (944,100) | |
30~34歳 | 3,372,000 (3,411,600) | 1,250,800 (1,155,200) | |
35~39歳 | 3,690,000 (3,772,800) | 1,362,800 (1,293,200) | |
40~44歳 | 4,269,600 (4,279,200) | 1,576,700 (1,561,900) | |
45~49歳 | 4,838,400 (4,940,400) | 2,197,300 (2,000,100) | |
50~54歳 | 5,536,800 (5,622,000) | 2,374,900 (2,319,500) | |
55~59歳 | 5,728,800 (5,762,400) | 2,811,000 (2,226,9009) | |
60~64歳 | 3,196,800 (4,495,200) | 723,700 (1,635,100) | |
65~69歳 | 5,484,000 (4,645,200) | 1,542,000 (1,357,000) | |
70歳~ | データなし (3,873,600) | データなし (806,100) |
(*:1カ月分の賃金額をもとに、年間の収入に換算)
製造業の平均年収は男性で約670万円、女性で約440万円です。全体平均と比べても製造業の「年間給与」「賞与」はともに上回っており、平均給与が高水準の業界と言えます。
年齢別に細かく見ると、どの年代でも「おおよそ平均程度の年収を獲得できている」と言っていいでしょう。年齢が上がるにつれて年収・賞与も上がっていき、50代後半で最も高くなります。
上記の表は「雇用形態」「地域」「企業規模」などをすべて含んだデータなので、就業する状況によってはさらに年収を上げることもできます。
「学歴別」の製造業の平均年収は?
製造業の平均年収について、年代別のデータを紹介しました。上記は「大卒の製造業の平均年収」のデータですが、では学歴が変わると年収はどうなるのでしょうか。
ここでは学歴別に製造業の平均年収について紹介していきます。表にまとめると以下の通りです。
【製造業で働く労働者の平均賃金状況(学歴別)】
学歴 | 性別 | 年間給与算出* (円) | 年間賞与その他特別給与額 (円) | ||
---|---|---|---|---|---|
製造業 | 全体平均 | 製造業 | 全体平均 | ||
大卒 | 男性 | 4,850,400 | 4,738,800 | 1,916,000 | 1,716,300 |
女性 | 3,350,400 | 3,312,000 | 1,089,700 | 977,200 | |
高専・ 短大卒 | 男性 | 4,194,000 | 4,029,600 | 1,549,300 | 1,337,900 |
女性 | 3,280,800 | 3,198,000 | 1,122,800 | 959,500 | |
高卒 | 男性 | 3,738,000 | 3,902,400 | 1,344,300 | 1,310,900 |
女性 | 2,829,600 | 2,913,600 | 873,800 | 825,900 | |
中卒 | 男性 | 3,427,200 | 3,499,200 | 1,044,100 | 945,300 |
女性 | 3,050,400 | 2,863,200 | 874,500 | 750.,700 |
(*:1カ月分の所定内給与額をもとに、年間の収入に換算)
学歴別に、「製造業」と「労働者全体」の平均年収を比較しました。男女高卒年間給与、男性中卒年間給与の3項目のみ平均を下回っていますが、それ以外の学歴・性別では全体平均を上回っており、決して製造業の年収は低くないことがわかります。
賞与・特別給与ではどの学歴・性別でも全体平均を上回っており、企業からの待遇も悪くないことがうかがえます。
学歴は大卒が最も年収が高く、中卒が最も年収が低いという結果です。大卒との中卒の年収は男性で約140万円、女性で約30万円の差があります。
「企業規模別」の製造業の平均年収は?
続いて、企業規模別に製造業の平均年収を見ていきましょう。大卒の場合を例にとって、表にまとめると以下の通りです。
【企業規模別の大卒製造業男性(年齢計)の平均年収】
企業規模 | 年間給与算出*(円) | 年間賞与その他特別給与額(円) |
---|---|---|
1000人以上 | 5,469,600 | 2,480,900 |
100~999人 | 4,350,000 | 1,471,700 |
10~99人 | 3,721,200 | 834,200 |
全体平均 | 4,850,400 | 1,916,000 |
(*:1カ月分の賃金額をもとに、年間の収入に換算)
企業規模が「1000人以上」の場合、「10~99人」と比べて150万円以上の年間給与と150万円以上の賞与を受け取ることができます。企業規模が変わるだけで合計で300万円以上、平均年収に差があるのです。
全体平均と比べても、企業規模が「1000人以上」の場合は合計100万円以上の差があり、大企業に就職するだけで高収入が見込めることがわかります。
雇用形態別の製造業の平均年収は?
続いて、雇用形態別で製造業の平均年収を紹介していきます。表にまとめると以下の通りです。
【雇用形態別の製造業労働者(学歴計・男女計)の平均年収】
雇用形態 | 雇用期間 | 年間給与算出*(円) | 年間賞与その他特別給与額(円) |
---|---|---|---|
正社員 | 定めなし | 3,765,600 | 1,214,100 |
定めあり | 2,628,000 | 361,100 | |
正社員 以外 | 定めなし | 2,288,400 | 270,800 |
定めあり | 2,466,000 | 301,900 |
(*:1カ月分の賃金額をもとに、年間の収入に換算)
雇用形態別では、「雇用期間の定めのない正社員」が最も年収が高いです。年間給与は他と比べて100万円以上、賞与も80万円以上の差があります。
その他の雇用形態に大きな差はないため、「稼ぎたい」という場合は雇用期間の定めのない正社員を、そうでない場合は自分の働き方に合わせて雇用形態を選ぶといいでしょう。
製造業は何位?業界別の平均年収

ここまで、製造業の年収についてさまざまな条件から紹介してきました。では、他の業界と比べると、製造業の平均年収はどの程度なのでしょうか。見ていきましょう。
ここでは、産業別の年収を紹介していきます。国税庁の「平成30年分民間給与実態統計調査結果」を参考にすると、業種別の平均年収は以下の通りです。
【産業別の平均給与(参考:「平成30年分民間給与実態統計調査結果」)】
産業名 (年収が高い順) | 平均年収(円) |
---|---|
電気・ガス・熱供給・水道業 | 7,590,000 |
金融業、保険業 | 6,313 ,000 |
情報通信業 | 6,224,000 |
製造業 | 5,195,000 |
建設業 | 5,015,000 |
学術研究、専門・技術サービス業、教育、学習支援業 | 4,979,000 |
不動産業、物品賃貸業 | 4,459,000 |
運輸業、郵便業 | 4,446,000 |
業種平均 | 4,407,000 |
医療、福祉 | 3,972,000 |
卸売業、小売業 | 3,830,000 |
複合サービス業 | 3,633,000 |
農林水産・鉱業 | 3,116,000 |
宿泊業、飲食サービス業 | 2,506,000 |
この表を見ると、製造業は業種別の平均年収で第4位につけており、他の産業と比較しても、製造業は年収が高いことがわかります。
年収以外にも押さえておきたい製造業の待遇

他の業界と比べても製造業の年収は比較的高いことを紹介しました。実は、製造業には年収以外にもさまざまな福利厚生や待遇が充実しています。ここでは、製造業の待遇や福利厚生について紹介していきます。
製造業は休暇がしっかりと取れ、残業が少ない
製造業は休暇が取りやすく、残業も比較的少ないことが特徴です。多くの製造業で「週休2日制」や「3勤1休」「4勤2休」など、しっかりと休むことができます。長期休暇も取りやすく、年末年始やお盆、ゴールデンウィークなども1週間程度休める工場が多いです。
また、製造業は残業も少ない傾向にあります。交替勤務(日勤と夜勤が1週間ごとに交代する勤務体系)で働くことが多いので、定時には次の従業員と交代し退勤できます。
そのため、「プライベートを重視したい」「長く働きたくない」という人に製造業は向いています。
製造業は手当が充実している
製造業にはさまざまな手当が充実しているのも特徴です。製造業は24時間稼働で夜勤が必要な場合や、資格が重宝される場合があるため、それぞれに応じて手当があります。
製造業でもらえる手当の例は以下の通りです。
- 賞与
- 深夜手当
- 残業手当
- 休日手当
- 赴任手当
- 経験者手当
- 資格手当
- 役職手当
深夜帯の勤務や、残業・休日の勤務で基本給に上乗せして収入を得ることができます。
また、経験を積んだり、資格を取得したり、役職に就いたりすると手当を受け取れます。これらの手当を活用することで、製造業勤務の収入はさらに上がります。
製造業は待遇が手厚い
製造業は待遇が手厚いことも魅力です。製造業は「期間工(期間が定められた契約社員)が定期的に入れ替わる」「アクセスが悪く、人手が集まらない」などの理由から人手不足に悩まされています。
そのため、「待遇の良さ」を求人でアピールして人手を集めている企業が多くあります。具体的な福利厚生の例は以下の通りです。
- 入社祝い金
- 満了慰労金
- 寮費無料・家賃補助
- 水道光熱費無料
- 食費支給・寮に格安の食堂がある
- 交通費支給
製造業は「寮費無料」「格安の食堂」などの待遇が用意されています。これらの待遇を活用することで、日々の生活費を抑えられることが製造業の魅力です。
製造業は入社祝い金が50万円近く支給されたり、寮費無料で年間100万円近い生活費が浮いたりと、もらえるお金が多く、払うお金が少ない傾向にあります。
年収以外で押さえておきたい製造業の注意点
製造業は休暇をしっかり取れることや、手当・待遇が手厚いことを紹介しました。
しかし、良い面だけでなく注意すべき点についても考慮しておく必要があるでしょう。ここでは、製造業で働く際に押さえておくべき注意点を紹介していきます。
単純作業が多い
製造業の仕事の多くは、単純作業です。
そのため、マニュアルによって決められた同じ動作の繰り返しが「飽きてしまった」「やりがい・成長がない」と感じてしまう方もいるでしょう。
逆にコツコツ物事に取り組むタイプや、人見知りで黙々と作業する方が好きという方にとってはおすすめの職業です。
夜勤シフトに入る可能性がある
製造業の求人はシフト制の勤務体系がほとんどです。24時間稼働させる工場の場合、深夜帯のシフトに入らなければいけないことも出てくるでしょう。
そのため、夜間にシフトを入れるのがキツいという方は、求人票を見るときや面接の際にしっかりと勤務体系についてチェックが必要です。
とはいえ、夜勤にシフトを入れた場合は深夜手当がつくため、日勤だけで働くよりも多くの収入を得られます。ガッツリと稼ぎたいという方は夜勤がある製造業の求人を選ぶとよいでしょう。
製造業で年収を上げるには?

ここまで、製造業の福利厚生や手当について紹介してきました。製造業は他業種と比較しても年収が高く、待遇も良いということはお分かりいただけたかと思います。では、そんな製造業の中でさらに年収を上げるにはどうすればいいのでしょうか。
ここからは、製造業でさらに年収を上げる方法について紹介していきます。まとめると以下の通りです。
- 大企業の正社員になる
- 役職につく
- 手当を活用する
1つずつ詳しく解説していきます。
製造業で年収を上げる方法1.大企業の正社員になる
製造業で年収を上げるには、「大企業の正社員になる」ことが最も有効です。先ほどもデータで伝えた通り、製造業は「大企業」と「正社員(無期雇用)」の年収が飛びぬけて高い傾向にあります。これらに就職・転職することで年収を上げることができるでしょう。
大企業の正社員になるには「求人に応募して正社員採用選考を受ける」という方法のほかに、「派遣や期間従業員で働き、正社員登用制度で正社員になる」という方法もあります。あなたに合った方法で正社員を目指してみてください。
製造業で年収を上げる方法2.役職に就く、資格を取る
製造業で年収を上げるには「役職に就く」という方法も有効です。製造業でも一般企業と同様に、役職に就いてキャリアを築くことで年収を上げていくことができます。製造業は学歴や資格がなくても、長く工場に勤務することで「一般従業員→班長→主任→係長→課長→部長→工場長」とキャリアを重ねることが可能です。
キャリアアップをするには技術力や勤務態度はもちろん、チームをまとめるマネジメント能力やリーダーシップが求められてきます。工場長クラスになると年収は1000万円以上にもなるため、年収を上げたい方はキャリアアップを目指すといいでしょう。
また、資格を取ってスキルアップすることでも「資格手当」を受け取って年収を上げられます。資格を取ると転職もしやすく、キャリアアップにもつながるため、年収も上がりやすくなるでしょう。
製造業で年収を上げる方法3.手当を活用する
製造業で年収を上げる方法として「手当を活用する」ことも有効です。先ほども紹介した通り、製造業にはさまざまな手当があるため、この手当をどれだけ活用できるかが年収を大きく左右します。
対応している手当を確認して基本給に上乗せすることで、年収の2割~3割の収入を得られる場合もあります。製造業で稼ぎたい場合、手当の確認は必須でしょう。
【まとめ】製造業の平均年収は高い!

今回は製造業の平均年収について、さまざまなデータをもとに解説してきました。この記事の内容を改めておさらいすると以下の通りです。
- 製造業の平均年収は「男性で約670万円」「女性で約440万円」
- 学歴は大卒が最も年収が高く、中卒が最も年収が低い
- 製造業は企業規模で平均年収が300万円の差がある
- 製造業は「雇用期間の定めのない正社員」が最も年収が高く、他の雇用形態と比べて年収は100万円以上、賞与も80万円以上の差がある
- 産業別平均年収で製造業は第4位。他の業界と比べても年収が高い
製造業は他の産業と比べても年収が高い傾向にあります。製造業は未経験でも就職しやすく。学歴も問われないため、気になる方は求人をチェックしてみてはいかがでしょうか。
製造業の仕事を探すなら「コウジョブ」がおすすめ
製造業の仕事を探すなら、工場・製造業に特化した専門求人サイト「コウジョブ」がおすすめです。コウジョブならあなたに合った理想の求人が見つかります。
- 工場・製造業の求人に特化
- 「高収入」の求人が豊富
- 「寮費無料」など、好待遇の求人も多数
- 全国の工場求人に対応していて、エリアで悩む心配がない
- 仕事内容も多種多様で、あなたに合った働き方が見つかる
製造業への応募を考えている方はもちろん、まだ迷っている方や、とりあえず求人を見てみたいだけの方も、まずはコウジョブに登録して求人を見てみてくださいね。